第2回勉強会のお知らせを下記の通り致します。多くの方の参加をお待ちしています。
香港・マカオ・広東日本研究大学聯合
第4期学術部会 公開勉強会開催のお知らせ
<第2回目 ; 小川正志先生に聞く>
主催 香港大学日本研究学科
香港・マカオ・広東日本研究大学連合会
期日 2012年12月19日(水) 17:30~19:30
場所 香港大学 The Jockey Club Tower 2階の 2.45教室
CPD-2.45教室(2.45は2階の2.45教室の意味です)
新しいビルですので、添付の地図をご参照ください。
講演者 香港大学日本研究学科 常勤講師 小川正志 先生
<お話内容>
「日本ポピュラー文化と教育」
使用言語 : 日本語
参加 どなたでも自由参加 無料
<お話内容の概要>
東アジアに位置する香港においての日本ポピュラー文化は、単に異文化と
して消費される対象であるだけでなく、既に自文化内に取り込まれ新しい
意味付与がなされ、既知の自文化内の1要素としてイメージされている。
香港の日本ポピュラー音楽のこの種の消費は1980年代から勃興し現在で
は日常化、定着化している。
この発表は、筆者により既に研究発表された香港大学日本研究学科、
現代日本ポピュラー音楽コースでの学生の楽曲人気理由の文化人類学
的調査・理解の試みを事例とする以下の考察を論究の基としている。
①文化的リテラシーを持たない(或いは不十分な)学生の異文化理解・
解釈の試みにおける理解・解釈の齟齬・違いのパターン、及びその理由の
考察。
②そこからフィードバックし、より正確な理解へ近づけるため解釈の自発的
検証へと向かうことを促すためのコース内での教育的な試みの検証。
③上記2点の詳述を基に、「常に新しい異種の要素を自文化内に取り込み
→新しい意味付与を繰り返し→自文化の要素として再生成する」と言う文化
的営為の中でも最たる物の一つであるポピュラー文化を、そのプロセスが
恒常化している「香港における日本ポピュラー文化」と言う分野を対象とし
て、そのプロセスの主要な担い手の1部である学生たちに、日本文化と言う
くくりの中で教えると言う、ある種パラドックス的な教育現場で、その特性が
どのような教育上の問題を現出させ、その問題をどのように利点へと変換し
て活かす試みがなされているかの検証。
本発表では、上記の詳述を基に、on-goingで生成、再生成されつつあ
り、同時に自文化内の要素としても、新しい意味付与を加えて生成、再生
成されている日本現代ポピュラー文化を文化人類学的理解目的の対象とし
て取り上げたときにおける諸問題について考察する。又、調査結果から見た
このような対象を日本語能力習得を目的としたコースの題材として取り上げた
ときの諸問題についても言及する。特に後者については、コースの具体的
達成目標を日本ポピュラー文化的プロダクト(cultural product)の理解
におき、その結果としての言語能力向上を視野に入れるコースと、言語能
力習得を具体的達成目標とするコースにおける、教材としてのこの種のプロ
ダクトの扱いに場合分けして考察したい。
<お問い合わせ> : 大学連合学術部会主催の勉強会について
ご質問のある方は下記までご連絡ください。
香港・マカオ・広東日本研究大学連合 学術部会代表
香港中文大学日本研究学科
非常勤講師 児島慶治 kojimayoshiharu2011@yahoo.co.jp